沖縄県首長と懇談

   私は4月17日、今野東・参議院議員、石井登志郎・衆議院議員と共に基地問題につき沖縄県へ出向き、関係首長との懇談を行いました。私の主張は、米軍普天間基地の移設・返還について今日までの経過に加え、アメリカの軍事費削減計画および軍再編成の過程上、普天間問題を解決するには、いまが最善で最後のタイミングであることを述べました。
   いわゆる日米合意に固執すれば普天間の固定化につながること、今回の提案は従来の嘉手納統合案とは異なり暫定移設案であることを強調して、地元首長への理解を求めたわけです。

   各首長の主な発言と全体の雰囲気は次の通りです。

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嘉手納町 當山宏町長 
① 昨日、三連協(嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(沖縄市、北谷町、嘉手納町))にて「普天間の嘉手納統合」には反対である、嘉手納の負担軽減を求む旨、声明を出した。
② 嘉手納町としては、嘉手納の騒音、危険性の除去を第一に考えていただきたい。数万人単位で嘉手納基地の騒音に対する訴訟が提訴されており、現状が受容できる限度を超えている。
③ 普天間と嘉手納をセットで論ずるべきではない。
④ 今の状況から負担が減るのであれば認めるが、例えば平成8年の日米政府合意に基づいた嘉手納の騒音軽減措置が全く守られていないなど、両政府への信頼は失われている。
⑤ 仮に嘉手納全体の負担が減ると言われても、普天間など他の機能が嘉手納で受け入れることは反対である。当初合意が負担軽減になったとしても、以後の運用改変によっていくらでも基地機能が強化され負担が増える可能性がある限り、受け入れられない。

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沖縄市 東門美津子市長
① 基地問題を沖縄の問題と捉えるのでなく、国の問題として取り組んでいただくことに心より敬意を表す。
② 三連協の代表であるので、嘉手納統合案への反対文書をこちらからも渡させていただく。
③ 「負担軽減」とは何度も言われてきたが、「目に見える形で」「肌で感じられる形で」と求めてきた。この観点で前進をお願いしたい。
④ レビン、ウェブ両議員と自分自身、以前にお会いした際、一切、嘉手納統合の話はなく、辺野古移設は合意していますよね、というスタンスだった。その数日後に嘉手納統合案が出てきて、驚いた。
⑤ 下地議員が「1+1=0.9」等と言うが、何をどうしたらそうなるか、全く見えない。よって、即座にイエスと言えるものではない。暫定と言うが、期間や暫定となる担保などが見えない。

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宜野湾市 佐喜眞淳市長
① 昨今、突然に石井議員らから提言が出され、困惑している。そもそも出発点は16年前のSACO合意であることを忘れてもらっては困る。
② 学校現場でもMAX112デシベルの騒音があり、この解決はとにかく早急になされなければならない。また、クーラー運転費補助等、すぐにでもできる応急措置はあるはずだ。
③ 宜野湾市は、普天間飛行場が街のど真中にあり、その機能を他で担ってもらおうとする立場なので、コメントする立場にない。県民世論をあおらないようにすべきだ。
④ 普天間解放を想定して跡地利用の全体計画の中間取りまとめ案が準備されており、その調査報告書を受理した。

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浦添市 儀間光男市長
① なんでも反対一辺倒では、何も動かない。地元も代案を示すべきと考える。現状が過剰な負担であることは間違いないが、どこまでなら応分の負担か、整理すべきだ。
② 浦添市を含む中部市町村会(10市町)は面積21%に46%の人口が集中し、基地問題においてもイニシアティブを持てる立場だ。こちらでも議論を提起し、政府に協力して基地問題を解決したい。
③ 鳩山政権退陣後、辺野古移転については県民の圧倒多数が反対になっている。ものを言わない世論が6割から7割ある。
④ 浦添としては、キャンプギンザーの返還をしっかり進めてもらいたい。あと、普天間など1500ヘクタールの基地が一気に返ってくると、土地の過剰供給が心配される。こうした観点も視野に入れておいていただきたい。

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那覇市 翁長雄志市長(沖縄県市長会長)
① 若かりし頃に自治権獲得運動を行い、県民同士の争いも見てきた。1996年の橋本総理が普天間合意をまとめた際、自民党の県連幹事長を務め、キャンベル氏やモチヅキ氏、ペリー元国防長官とも会談したが最後は国内問題と言われてきた。
② どんなよいことを言われても、意味がない。「論より証拠」であり、例えばどうすれば5年で解決するとか、上空管制をどうすれば改善するか等、具体的でなければならない。
③ 遊休化している那覇軍港の返還も、浦添整備があってからという条件なので、25年はかかるような有様だ。
④ 本件は、日本の主体性が問われている。日本国の安全保障問題として考えていただく必要がある。これは、革新勢力に罵倒されながら戦い、市役所に日の丸を掲げた私だからこそ、皆さんに訴えられる。オスプレイが落ちたら、日米安保体制は終わりだ。
 
【総 括】
 嘉手納町の當山宏町長としてはやむを得ない発言内容であるが、普天間の返還など意に介さない自己中心的主張であり、激論した。長時間の会談となったが、単純な普天間基地の嘉手納への統合でない内容であること、嘉手納の負担軽減への思いは共有していることなどある程度の理解はいただけたと思う。

沖縄市の東門美津子市長は、長年国政に参加してきた経緯もあり、国会や日米政府の雰囲気も良く承知しており、今後、信頼できる相手であることと実感した。三連協会長としての立場もあり表向きは難しいが、提示するメニューがしっかり揃えれば、話し合いに応じていただく可能性があり極めて柔軟である。

宜野湾市の佐喜眞淳市長はとにかく普天間基地の全面返還に主眼が置かれているので、SACO合意にせよ何にせよ、一日でも早く事態が前に進めばよい、という立場。こちらの主張に対して、内容の理解はされたと思うが、賛意を示すまではいかず。
 
浦添市の儀間光男市長は、今回お会いした首長の中で、一番理解があった。極めて現実的な話し合いの窓口になってもらえる可能性が高い。中部地区10市町村の会長として率先して賛成の声をあげ、三連協を除く7つの首長に積極的に呼び掛けた上で、嘉手納周辺の三連協にも二段階で順次アプローチを試みると述べていただいた。また現在が沖縄基地問題を解決する最善のタイミングであるとの意見も一致した。

那覇市の翁長雄志市長は、民主党政権と中央の政治に対して、極めてシビアな見方をしている。また、反下地幹郎的言動が気になったが、一方で本提言が前に進むにあたり、実力者(次期知事候補)であるだけに、キーマンとして今後も意見交換をし、従来の嘉手納統合案とは意味が違うことを理解してもらわなければならない。

 各首長共、思想、バックグラウンドに応じて、様々な意見交換ができ大変有意義であった。各首長には、本音と建前があり、マスコミの発言することと、その奥にある本音とは大きな格差があることを実感した。得られた確信は、現行の日米両政府合意の辺野古埋め立てはその実現可能とはほとんどの首長、県民は思っていないこと、そして具体的な話が見えれば、表では難しくても、水面下での交渉は可能であるということである。重要なことは今後も誠実に対話を重ねることである。
   また、カギとなるのは沖縄の世論であり、特に重要な役割を果たすのがメディアである。この点は会見後のブリーフでもメディアに申し上げたが、極端で硬直的な反対感情を煽るだけの論調は、沖縄県民の将来にとって何の得にもならないことを強調した。記者はかなり理解しはじめたが、革新系の幹部が問題だ。しかし、批判し、反対するだけでは沖縄の不幸は永遠に続くだろう。
 いずれにせよ、サイレントマジョリティは普天間返還に大賛成であり、かつ、辺野古埋め立ては今では不可能で反対であるため、この機会を生かすべく、引き続き精力的に活動していきたい。
   尚、今回は仲井真知事との会見は意図的に行わなかったが、それは本音と建前があり問題の本質は理解されている。今後基地分散の移転先と精力的にあたっていく。連休中は日比議連の会長としてマニラを訪問するが、その際、比アキノ大統領や比上院議員にも沖縄の基地削減のため基地機能の受け入れを打診するつもりである。沖縄問題は何人も解決できなかった日本政府最大の政権問題である。それに挑戦する政治的意義は大きい。現地にて電話で知事秘書(曽根)を通じ訪問の目的と会見した首長名を報告して帰京した。