外交防衛委員会で質問

  5月31日、沖縄基地問題に関して、参議院・外交防衛委員会で質問に立ちました。この問題は我が国の外交安全保障での最大の難問であり、1995年以来、16年間歴代の内閣が解決できなかった難問であります。 
  米上院軍事委員会のレビン委員長(民主党)とマケイン共和党筆頭委員、及びウェッブ米上院外交委員会東アジア・太平洋小委員長(民主党)が、米軍普天間飛行場を辺野古のキャンプシュワブ沿岸部に移設するという日米両政府の現行計画は「非現実的」として、米軍嘉手納基地への統合を中心とする新たな移設案の検討を国防総省に求めていることについて、私が独自に米議会関係者から入手したレポートをもとに、北澤防衛大臣に率直な考えを述べました。 

質疑の内容は以下の通りです。

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○委員長(佐藤公治君)
 
 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。


○石井一君
 
 どうもおはようございます。
 今日は、筆頭理事から質問の御下命をいただきましたが、20分ということでありますので、質問をするよりも一方的な私の意見の陳述になるかも分かりません。御答弁は防衛大臣にお願いしたいというふうに考えております。沖縄の基地問題は、我が国の最大の外交案件であり、安全保障の問題であると同時に最大の難問だと申し上げてもいいと思うんであります。少し過去を振り返ってみますと、1995年のSACOの合意で、普天間を撤去し新しく基地を造るということを合意いたしております。それから以降、九人の総理大臣が替わっておりますが、自民党時代の橋本、小渕、森、小泉、そして安倍、福田、麻生と、なぜこの時代に解決しておかなかったのかなと。まあ稲嶺知事とか岸本名護市長のように割に理解のある保守系の方々もおられました。かなり歩み寄りもありましたのに、自民党政権下で解決ができず、そして今日、鳩山内閣に至っては、県外などという要らぬことを言うから内閣まで吹っ飛んでしまった。
   さて、今のこの菅政権でこれが解決できるのか、甚だ危うい。それはなぜかといいますと、今の沖縄の政治情勢というのは非常に険悪な状態になっております。2期目に再選をしました仲井眞知事も容認派であったと思ったんですが、今や県外移設派になっておられる、まあ多少柔軟ではありますけれども。名護の市長に至っては何が何でも反対だと、こういう稲嶺市長のような存在があるときに、去年と同じままで2プラス2をやって、どのように沖縄へ帰って説明するのか。沖縄のするなということを両国の政府が決めてくるということをやれば逆なでするだけで、ぐずぐずしていると今度、菅内閣も、この地震の問題その他はあるけれども、沖縄の問題で吹っ飛ぶんじゃないか、私はそういう懸念をいささか持っておりますが、防衛大臣、外務大臣、この間、松本さんは那覇へ行かれて知事の態度もよく御覧になったと思う。不可能だと地元が言っておる案を両政府で決めてこられようとしておるのかどうか、防衛大臣のまずそのお考えを聞かせていただきたいと思います。

○国務大臣(北澤俊美君) 
 政治経歴の極めて豊富な先輩から危機感を持っての御質問であります。ある程度その今の御趣旨は私自身も強く感じておるところでありまして、しかし我が国を取り巻く安全保障環境を見たときに、この問題は避けて通れないことでありまして、何としても日米両国で5月に決めた合意は実行していくと。
 しかし、そのためには沖縄の理解を得なければならぬという大きな壁があるわけでありますが、このことについては、もしこれが本当に駄目だということになったときにどういうことが起きるかというと、基本的にはこの周辺の安全保障環境が厳しくなるということでありますが、もう一つ、沖縄の視点に立って言えば、普天間の固定化につながるのではないかという懸念が非常に沖縄の皆さん方にもあるわけでありまして、私は、そういうことを含めてやれば、これは政治が責任を持ってどんな困難にも立ち向かうという、本来政治が持っておる使命に基づいて粘り強く解決に向かって努力をしていくべきだと、こんなように思っております。

○石井一君 
 
まず、今の政府の態度、日米両国の合意の下に進めるということになれば、まず10年は無理でしょうね、常識的に考えて。普天間の固定化が10年も続く。そうすれば海兵隊の移動もストップする。全て基地問題というのはますます深みに、難しい局面に入ってくるというふうに私には思えてなりません。
 そこで、アメリカの上院、レビン軍事委員長、ウェッブ東アジア太平洋小委員長それからマケイン元共和党大統領候補が、4月の25日から29日の間、沖縄、グアム、そして東京へもやってまいりまして、この問題に対して建設的な提言を行っております。私はその原文を取り寄せて読んでみたけれども、私は、これは説得力のあるリポートだなと、これが一つの解決方法ではないだろうかと、そういう印象を受けました。もちろん、この嘉手納統合案というのは浮かんでは消え、また浮かび、過去いろいろの紆余曲折はありましたけれども、今出されておる提案というのは非常に建設的である。また、これだけのベテランが、予算権を持っておる有力な上院議員が超党派でこの問題を提起しておるということはまさに注目すべき一つの沖縄の転機に当たるんではないかという、そういう私は印象を受けます。問題は、統合案の一つ、これが戦略的に通用するのか、極東の抑止力にその形で機能するのかということ、もう一つは地元がどう対応するのかと、この二つが大きな障害であります。
   しかし、このリポートは、お二人もよく御存じのように、アンリアリスティック、今両政府が進めようとしておる辺野古の埋立てというのはもう現実的でないと、むちゃくちゃだと、アンワーカブル、機能しないと、そしてアンアフォーダブル、とてもお金が掛かってどうにもならぬと、こういうふうに明言をいたしております。私に言わせれば絶望的だと言いたいね、今の辺野古の埋立てというのは。まず、統合案にすれば埋立てはなくなります。自然破壊もなくなるでしょう。知事の許可というふうなことも必要じゃないんじゃないですか、基地内から基地内へ移設するということなんですから。アメリカ側が譲歩をされ、地元の皆さんが少し理解をしていただいたら、この話は前進する可能性というのはようやく出てきたと申し上げてもいいだろうというふうに思います。
 このリポートの中には、移設に当たって、それだけの騒音を嘉手納へ持ち込むことはできない、普天間の騒音をどこかへ除去しなければいかぬということから三沢への移転ということも触れております。それからグアムへの移転ということも言っております。他の地区にという言葉もありますし、言外に韓国を含めて県外への移転というふうなこともやる。さらに、その抑止力という面におきましては、極東においてそれがどこかにあればそれは十分維持できるということも明言をしております。明らかに早く安くできる方向が出てくるんじゃないかなという感じがいたします。地元をどうするのかというのが問題で、これが日本側が解決しなければいかぬ問題ですよ。戦略的問題、軍事的問題はアメリカの方で考えていただいて、それに対して回答を出しつつあると申し上げてもいい。これらの三重鎮は、セネターズは、海兵隊の司令官にも、あるいはその他の軍事部局の重要な方々とも十分な協議を経た後にこういう発言をしております。これに対して賛意を示しておりますエイモス海兵隊の司令官であるとか、ジェームズ・ジョーンズ元大統領安全保障補佐官とか、あるいはウィラード第七艦隊司令官も上院の公聴会に証言を求められて出てきておる。これらの人々との会話の中に、アメリカ側はそこまでの譲歩をするという意思表示がこの中に出ておるというふうにうかがえます。
 そして、今このことについてもう一回リエグザミネーションを国防総省に求めておるというわけでありますから、数週間後にこの回答が出てくると思いますが、もし国防総省からそのような答えが出てきた場合には、アメリカの戦略的転換が行われるであろうということを申し上げてもいいんじゃないかなというふうに思います。我々がやらないかぬのは、沖縄の住民の皆さんとの話合いです。今の新しい名護市長のように、何が何でも駄目だと言われる方もあろうかと思いますが、常識的に考えて、普天間が固定化するよりも普天間がなくなるということがどれだけ大きなメリットがあるだろうか。何かをしなけりゃ普天間はそのまま続いて継続してしまうということを考えた場合に、まあ三つの町市の皆さん方はいつまでも反対はされるかも分かりませんが、沖縄全体の皆さんから見ても、もちろん日本国全体から見ても、一歩前進してまず普天間の騒音がなくなるということに対しては評価できる状況になるんじゃないかなというふうに思います。基地内の移転をするんであれば、地元の皆様方もあるいは知事もある程度理解を示されることになるんじゃなかろうか。もちろん基地の全面撤去ということを我々は主張してまいりますけれども、まず最初の一里塚として普天間を除去するということに着目し、日本政府としては、1年前の合意にこだわらずに、一歩ここで前進するという考え方をしなけりゃ、鳩山内閣と同じように菅内閣は吹っ飛んでしまいますよ。防衛大臣の御見解をいただきたいと思います。

○国務大臣(北澤俊美君) 
 石井先生は米国にもたくさんの友人をお持ちであることは私も十分承知をいたしております。そういう中から様々な情報を集約した上で今お述べになっておるんだろうというふうに思いますが、まず一つ、我々のといいますか、菅内閣における防衛大臣としての見解を申し上げさせていただきますと、米国政府はこの提案に対して、我々は日米合意以外のものにコミットすることはないと、こういうふうにはっきり言っておることが日米間における一番の基本であるというふうに思っております。
 それからまた、統合案については、今、石井委員からもお話のありましたように、本当に何度も議論されながら立ち消えになってきたわけでありまして、SACO合意に基づいて辺野古への移設というものを決断した間にはこの問題が何度も検討されました。そこで、この問題がどうしても成就しなかったものを三点ほど申し上げたいというふうに思いますが、まず一つには、騒音の増加という問題で地元が大反対をしておるということでありまして、これは辺野古へ移設すると名護の市長が絶対反対と今言っているのと重なるわけでありまして、二番目には、速度の遅い回転翼機と速い戦闘機を共同運用することによる安全性の低下の問題、それから三つ目に、有事等における混雑による基地機能低下の問題、この三つが挙げられるというふうに思っておるわけでありまして、様々な議論を重ねてきた最終的なものが、自民党政権時代もそうでありましたが、わずか2年に満たない民主党政権の中でも県外とかいろんなことを言いながら、最終的に辺野古への移設と、こういうことに戻ったわけでありまして、是非ひとつそのことは御理解をいただきたいというふうに思いますが。今、沖縄にとって極めて重要なことは、そもそもが普天間の基地を返還するということから全てのスタートがあるわけでありまして、それがまた普天間の固定化ということに逆戻りすることのないような努力をしなければいけないというふうに考えておる次第であります。

○石井一君
 
日米合意に即してと言いますが、日本政府は無責任と言われますよ。あなたの、内部のことも処理せずに合意、合意と言って、私の方はいろいろと軍備的な問題について譲歩をするけれども、地元の処理もしていないのに何が合意ができるんですかと、内部も整理せずに。一遍出直してくださいというのが普通の交渉だと思うんですよ。私は、そこに無理がある。だからアンワーカブルだと、機能しない。アンアフォーダブルだと、それだけの金はない、アメリカの軍事財政も物すごくこれから節減の方向へ行っていると。そして、このリポートの中には三セネターズの、大震災の被害を救済するのに日本はすごく苦しい財政じゃないか、今ここで新たな埋立てをやるだけの余裕があるのかと、3,500億と言っていますけれども、聞いてみたらもっともっと掛かりますよ。4,000億、5,000億、まだまだ上がるものを、この被災の方へ回さないかぬということも現実の姿でしょう。どこから見たって、この日米合意を重ねて2プラス2でやるということには、私はまさにアンリアリスティック、非現実的だという言葉が適切だというふうに思います。
 この議論はここでやめますが、私はこの向かいの我がパートナーの皆さん方に提案をしたいと思うんですが、政府が硬直した状態であれば、議会がしっかりと国民の意思を体して機能する、そういうこと必要だと思うんですよ。今レビン軍事委員長以下三名が動いておることも、アメリカの無駄なタックスペイヤーに対する責任を削減さそうという動きをされておるんですよ。だから、6月21日か30日かに行われるこの我が国の2プラス2、アメリカ政府と日本政府の会談の結果を見て、ああ、本当にこの両政府は本当の国民の気持ちを理解していないなということになるんなら、私は、我々はワシントンへでも行って、レビン軍事委員長以下重要な議会人と協議をする必要があると、非常にそれは両国民にとって有益だと思います。
 岸さんのような、佐藤さんのような、その道のベテランはできたら御一緒に行って話をしたい。山内さんも一番熱心ですから、理解がいただけるようなら、聞きづらい話は半分耳蓋しておいてもろうてね、一緒に行動を共にしていただいて、日米両議会が結論を出して、この重要な安全保障、外交問題の政策の転換をするべきだと、私はそのように考えております。注意深く御両人の今月末の政府の交渉を見守っていきたいと思います。
以上であります。