副首都建設計画の法整備が急務

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 私が会長を務める超党派の「危機管理都市(NEMIC)推進議員連盟」が推し進める首都機能をバックアップする「副首都」計画がにわかに注目を集め、関係各方面から実現に向け期待が高まり始めております。東日本大震災を受けて、首都・東京が大災害やテロで危機に陥った場合に、代替機能を果たす「副首都」の必要性が与野党間で高まっております。
 現実に、東日本大震災の後も断続的に余震が続き、首都圏直下型地震の危険性はかなり高まり、大地震が日本全域で起こりやすくなっておるわけです。政治・経済の中枢機関が集中する東京の機能がまひすれば、日本全体が大混乱に陥るのは必至で、さらに福島第一原発による周辺事態の現状を勘案すれば、仮に東海地震が起きて、浜岡原発(静岡県御前崎市)で有事が起きれば東京も多大な被害を受けるため、バックアップ機能を有する副首都を早急に建設するため我々は昨年から定期的に勉強会を重ね、講演いただいたすべての方々が、それぞれ専門分野の立場に立ち副首都の必要性を唱えられております。

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(副首都建設の機運の高まりを報道する新聞各紙)
 
 昨年11月より議連活動の勉強会における講演内容と講師は次の通りです。

平成22年11月9日
第1回「これまでの経過と今後の展望」
(講演;石井一・危機管理都市推進議連会長)
平成22年11月11日
第2回「副都市構想と大阪空港用地の活用」
(講演;橋下徹・大阪府知事)
平成22年11月30日
第3回「公共事業の民間資金活用について」
(講演;榊原英資・青山学院大学教授)
平成23年2月10日
第4回「副首都建設の戦略的手法・世界各国での建設ラッシュに学ぶ」
(講演;梅沢忠雄・元東京大学教授、工学博士、都市開発プロヂューサー)
平成23年2月16日
第5回「なぜ、もう一つの首都が必要か」
(講演;小川和久・軍事評論家)
平成23年3月8日
第6回「関空と神戸空港の連絡海底トンネルの可能性」
(講師;野澤太三・元法務大臣、元参議院議員、工学博士)
平成23年3月10日
第7回「日本版FEMA(フィーマ)について」
(講師;森本敏・拓殖大学大学院教授)
平成23年3月23日
第8回「福島原発事故について」
(講師;諸葛宗男・東京大学公共政策大学院特任教授)
平成23年3月29日
第9回「福島原発事故について」
(講師;西脇由弘・東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻客員教授)
平成23年3月31日
第10回「これからの都市開発に求められるもの~危機管理都市の未来デザインに向けて」
(講師;中分毅・株式会社日建設計常務執行役員)
平成23年4月13日
第11回「今回の福島原発を踏まえて今後の原子力行政を考える」
(講師;石橋克彦・神戸大学名誉教授、同大学都市安全研究センター教授)
第12回「首都バックアップの必要性とその課題」
(講師;紅谷昇平・公共財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構人と防災未来センター研究部主幹)

 今後も、内藤伸浩・東京大学公共政策大学院特任教授による「大規模プロジェクトの資金調達方法について」、伊藤洋・(財)電力中央研究所顧問、中村民平・(社)日本原子力技術協会理事による「地下原発」等をテーマにした勉強会を予定しております。

 内閣府の中央防災会議のシミュレーションによると、東京湾北部を震源とするマグニチュード7・3の地震が東京を中心に関東で発生した場合、死者は約1万1,000人、負傷者(重傷者を含む)は約21万人、全壊・火災焼失する建物は約85万棟。建物・インフラ被害などの直接被害に生産額の低下といった間接被害を加味した経済被害は約112兆円に上るとの調査研究結果を発表いたしております。
  東日本大震災の当日、震度5強を記録した都内では、交通網がストップ、計画停電による混乱や日用品の買い占め騒動も起きたことは記憶に新しく、それを上回る地震が起きれば、大パニックになるのは想像に難くないわけで、東京だけの被害ではすまないわけです。
 昨年の11月11日に講演いただいた橋下徹・大阪府知事は伊丹空港跡地の副首都に大阪府庁などの官公庁を移転する案を披露され、「関空と神戸という二つの海上空港を持つ関西は、世界に類のない都市。伊丹廃港後は2空港で需要をまかなっていける」とし、自分の任期中であれば大阪はこの構想はいつでも受け入れる用意があると述べられました。
  今年3月10日に講演いただいた危機管理に詳しい拓殖大学院の森本敏教授は、議連の中で「大地震だけでなく、起こり得る重大事態を想定し、法整備などを急ぐとともに、首都の代替機能を完備した都市も2つ以上考えておく必要がある」と指摘されております。
  同4月13日に講演いただいた、神戸大学名誉教授で地震学が専門の石橋克彦・神戸大名誉教授は、東日本大震災が起きる前から地震による原発事故の危険性を警告しており、「3月11日の超巨大地震に誘発され、日本列島全域で大地震が起こりやすくなっている」と指摘し、東海・東南海・南海地震や首都直下地震の発生が早まる可能性にも言及され、地震による大事故発生が考えられる静岡県の浜岡原発などは、老朽化も加わり危険性の高い原発を段階的に閉鎖していく案を示されております。
  我が国は、電力の3割を原発に依存しております。安定した電源として原発なくして日本の経済が成り立たないのではないかというご意見も根強くあるわけです。しかし、経済と安全をてんびんにかけた結果としての今回の原発震災を直視しなければなりません。我々はすでに「副首都」の候補地として、敷地の広さや交通アクセス、東京からの距離など7基準から総合評価した結果、大阪・伊丹空港跡地を視野に入れております。
 私はかねがね危機管理としての副首都建設は政治の責任であり、想定外は許されないというのが持論です。国会の場でも2005年1月27日の衆議院の予算委員会総括質疑で、この問題を提起いたしました。時の総理、小泉純一郎氏は ・・・
 

○小泉内閣総理大臣 
私はもともと、場所はともかく、余り東京に一極集中し過ぎるのは好ましいものとは思っていない、そういう考えを持っているんです、個人的に。

 そこで、今のお話を聞いていて、実に参考になるし、おもしろいと思いました。ただし、場所は私に言わせないでください。伊丹がいいということではなくて、万が一東京にそのような大地震があって被害が起こった場合、それを代替できるような、危機管理ができるような都市が日本にあった方がいいなと私は思っています。今のお話を聞かせていただいて、非常におもしろい考えだなと、率直に言ってそう思いました。


 ・・・あれから6年、実現への機はまさに熟しております。災害による国家機能の停止を食い止めるため、バックアップ都市「副首都」建設のための法案を新規立法で一刻も早く提出し、近い将来その実現を図りたいと存じます。